中村粲

中村粲(なかむら・あきら、1934–2010)は、日本近現代史・昭和史を研究した英文学者・歴史研究者。東京大学文学部英文科を卒業し、獨協大学教授、のち名誉教授。私設研究機関「昭和史研究所」を主宰し、『大東亜戦争への道』などを著した。1995年には『東京裁判却下未提出辯護側資料』の共同編集により第43回菊池寛賞を受賞している。

吉田好克にとっての中村粲

中村粲は、吉田好克にとって単なる参考文献上の人物ではない。吉田が社会・政治評論を書き始める直接的な契機につながった人物である。

「蟷螂の斧」第24回「戦争の『反省』はできない」の追記で、吉田は、戦後五十年の「不戦決議」をめぐって中村が『月曜評論』紙上で保守派の反撃を呼びかけたこと、それに応じて自ら編集部へ葉書を送り、その後執筆依頼を受けた経緯を記している。吉田自身、この一連の出来事がなければ社会・政治評論を書き始めることはなかったのではないかと振り返っている。

また同記事では、中村の『大東亜戦争はなぜ起こったのか』『「韓国併合」とは何だったのか』を参考文献として挙げ、代表作『大東亜戦争への道』にも言及している。吉田の評論活動と近現代史認識の双方を考えるうえで、中村は特に重要な人物である。

主要著作

  • 『大東亜戦争への道』
  • 『大東亜戦争はなぜ起こったのか』
  • 『「韓国併合」とは何だったのか』

関連人物

小林秀雄 — 戦争と歴史の理解をめぐって吉田が参照する文芸評論家。

松本道介 — 小林秀雄の戦争観を「常識論」として読み解き、吉田が繰り返し引用する独文学者。

福田恆存 — 戦後日本の思想・言論を考えるうえで吉田が参照する評論家。

吉田好克の論考で読む 中村粲

参考資料

※本ページは、一般的な人物紹介に加え、吉田好克.jp掲載論考における引用・言及関係を整理するための人物辞典です。

吉田好克

吉田好克について 吉田好克は、神道・宗教・日本思想・歴史・政治・社会について、長年にわたり研究・教育・執筆を続ける論者です。 その関心の中心にあるのは、個々の時事問題そのものではありません。 日本とは何か。 日本人はいかに生きるべきか。 歴史や伝統を、現代にどう受け継いでいくのか。 そうした根源的な問いを、宗教、思想、歴史、社会のさまざまな角度から考え続けています。 論考では、福田恆存、江藤淳をはじめとする先人の思想や、国内外の文献を幅広く参照しながら、現代社会で当然のように語られている価値観や言説を改めて問い直します。 その姿勢は、特定のイデオロギーから現実を説明するのではなく、歴史、伝統、人間の営みという現実から、思想や制度を見つめ直すことにあります。 連続論考「蟷螂の斧」では、外国人労働者問題、戦後日本とキリスト教、原爆忌と平和思想、安全保障、靖国神社、保守思想、政治家論など、現代日本が直面する問題を幅広く取り上げています。 「蟷螂の斧」という名の通り、たとえ小さな力であっても、疑問を抱いた問題には自らの言葉で向き合う。 その文章には一貫して、日本の歴史と文化を次代へどうつなぐのかという問題意識があります。 本サイト「吉田好克.jp」では、「蟷螂の斧」をはじめ、これまでに執筆された論文、評論、寄稿、講義資料などを整理し、吉田好克の知的成果をデジタルアーカイブとして公開していきます。

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