先月の統一地方選挙で、自民党の、特に幹部連中の錯乱ぶりが誰の目にもはつきりした。
選挙前、小西洋之が仕掛けた行政文書問題の際に、岸田首相を始め幹部連中は高市大臣を全く擁護しようとしなかつたし、末松予算委長に至つては杉尾秀哉の発言は咎めずに、「敬愛の精神」などと高市にのみ的外れな説教を垂れた。これは高市への「陵辱」にほかならず、さすがの彼女も一人悔し涙に暮れたのではないか。
さらには奈良県知事選挙において自民党奈良県連(会長は高市)が一致して推し、且つ一般の評価も高かつた平木省の対抗候補として、自民党本部は、「老害」と言はれた多選の現職、荒井正吾を擁立し、結果として維新の会に漁夫の利を得させた。平木単独であれば楽勝と見られた選挙である。ネットでは高市潰しだとか、平木潰しだとか言はれてゐて、たぶんさういふことだと思ふが、いづれにせよ、自民党本部は勝てる選挙を自ら放擲したことになる。前代未聞の「政党政治」だ。巷間、二階、森山、茂木の画策と言はれてゐるが、岸田も河野も一蓮托生なのではなからうか。
一方、大阪知事選挙では、自民の大阪府連は吉村知事に対抗できるだけの候補を立てられず、それまで左翼的な言説を撒き散らしてゐた谷口真由美なんぞを立民などと共に「自主支援」とした。苦し紛れのかやうな弥縫策を恥づかしいと思はないのだらうか。こんなことでは、来年の都知事選にも有力候補を擁立できないであらう。
後半戦の千葉五区の補選に自民党は英利アルフィヤといふ胡乱なる候補を立てた。ネットでこれまでの発言を読むと、保守ではないことが明白であり、経歴詐称の問題もあつた。しかも熱心な後ろ盾となつたのが河野や茂木であるから、何をか言はんやである。かうして親中議員は新米議員を手懐けて親中にして行くのだらうか。
ともあれ、自民党候補は補選で四勝一敗であつたが、あの愚鈍なる立民の候補たちにかなり手古摺つたことは象徴的だ。「天網恢恢疎にして漏らさず」である。
警視庁が監視対象としてゐる中国人女と懇ろになり、自らの「外交顧問兼外交秘書」として任用してゐる参議員もゐれば、「人民日報」(日本版)のインタビューを受けて、「西洋のチャンピオンが米国なら、東洋は中国でしょう」などと歯の浮くやうなことを宣ふ衆議員もゐて、しかも彼らを諫める幹部も殆ど見当たらないのが今の自民党である。何故か。勿論、親中派でゐたはうが得だからだ。だとすれば、「守る」べきものを喪失した保守党に未来がある道理が無い。後世の歴史家は令和五年から自民党の終はりが始まつたと記すであらう。(令和五年五月号)














